『総務は雑用係ではない、ユーザー(経営陣・従業員)サポートこそが総務のあるべき姿!』
日本企業における「総務」のイメージは、昔ドラマにあったあの脚立を持って歩いている「ショムニ」のような雑用係的な部署と捉えている方が多いのではないでしょうか。もちろん、ショムニ的な役割を担う部分もあるとは思いますが、もっと「経営者や従業員など社内に向けてサービスを提供する」という役割の意識を強くしてくことが「総務」に必要なことだと思います。
例えば、コピー用紙が無くなったと言われたら現場までコピー用紙を届けに行くのが「雑用係」だとしたら、コピー用紙の置き場所と要求書の書き方をマニュアルにして各部署に周知徹底させ、無くなったら自分で取りに行き、自己完結出来るような仕組みにしておくことが「社内向けサービスの提供」だと思います。
これは決して「総務」が手を抜いて楽をしたいという発想ではありません。一見するとコピー用紙を現場に届けるほうが他の従業員に対してサービスしているように思えるかもしれません。しかしその「雑用係」としての総務の存在価値を否定することで「社内向けのサービスの提供」が構築出来て、はるかに効率的になります。つまり自分達の従来までの役割がなくなっても、社内がよくなるサービスを考えるのが本来の「総務」だと思います。
企業における職場環境は、大きく分けて設備や電気、コンピュータなどハード的な側面と活用方法や指導、情報伝達などのソフト的な側面の二つに集約されます。日常のあらゆる業務の中でこのどちらかでも滞りが起きれば仕事は停滞し、長引けば穴が開いた状態になってしまうわけですが、総務はユーザー(経営陣や従業員)に対してこの両方をバランス良く提供する能力が求められます。大体どちらか片方の能力で基本的には対応していますが、一人で両方を高いレベルで持ち合わせている人材は稀です。
多様化している現代、顧客満足を高めるために企業にはより専門性が要求されており、刻々と変わる職場環境を常に整え、それを維持し続けることは非常に難しい時代だと感じます。単純な例え話で言えば、製品開発と営業の両方を器用に出来る人はなかなかいないので、良い製品があってもなかなか売れない時代になっており、中小企業では人材不足から更に対応が困難な状況になっている、といえます。
その中小企業で現在もっとも求められていることは、置かれている経営環境に自社の職場環境を速やかに順応させ、自社の独自性を最大限に発揮することだと思います。その為に私が出来ることは、職場環境の整備をハード、ソフトの両方からお手伝いすることだと考え、その形として「訪問 総務部長」を立ち上げました。